ラブレターでその人までを感じた封筒のヒミツ

大学生の頃、あるスポーツのインストラクターのアルバイトをしていました。
修学旅行生を担当する機会もありました。
私は女性インストラクターだったので、共学の場合は女子グループを担当することが多かったのですが、初めて男子校の進学校と言われている生徒を受け持つことになりました。

思っていたより元気な子達が多くて安心していましたし、女性インストラクターがついたことによってテンションを上げてくれて、とても協力的なグループでした。
整列の時なども、積極的に声掛けに協力してくれる生徒がいたり、頼りになる生徒もいました。

指導に関しては男子学生は本当に元気で無茶しても怪我もしない。力でなんとか楽しんでいる。女子を指導するより楽な部分もありました。

2日目くらいから妙にみんなが私の近くにいさせようとする1人の生徒に気付きました。大学生と高校生ですから、年齢も近いせいか遊ばれている感じもしましたが、それも楽しいこと。
まぁ、そのイタズラじみた所も知らないふりしながらも付き合っていました。

ある日とても寒い日があり外での活動だった為、私たちインストラクターも何枚も重ね着をして外に出ました。
昼前までは暑かったこともあり、中にはTシャツだけで出てくる生徒もいました。
そんな中、震えだした生徒がいたので
「もぉ、バカだねぇー。これ着て!」
と私の着ていたウィンドブレーカーを着せました。
確かに自分自身は寒くなりますが、立場上生徒の体調が優先ですから。

その生徒は他の生徒から、チョット冷やかされていました。なんか余計なことしたのかな?と感じながらも、体調が優先だから。とそのまま指導を続けました。

最終日、その生徒と友達から呼び出されました。
手紙を書きたいから、住所教えて欲しい。
後記念のもの1つ何か下さい!との要望でした。
男性インストラクターにはよくある出来事でしたが、私が男子を指導したのは初体験でしたので、この様な経験もあまりありませんでした。

まぁ、そうない機会なので希望に沿って住所や記念になるようにサングラスをあげました。

その子はウィンドブレーカーを貸してあげた子だったのです。それから、しばらくして水色の封筒が届きました。
ある意味、封筒の中身は告白の手紙でした。
さすが思春期の高校生。
一生懸命、3〜4歳上の私に対して頑張ったんでしょう。

手紙を開くと、封筒の中から香水の匂い。
多分、その彼が毎日つけている匂いなのかな?
と年齢差も忘れて、封筒の香りで学校に行っている彼の姿を想像したりしました。
普通に手紙をもらったりはありましたが、自分が使用している香水を封筒に付けて送ってきた人は初めてでした。

それから何回か手紙を出し合いましたが、必ず彼からの封筒には香水の匂いを吹き付けてくれるんですよね。
私からすれば、当時はお付き合いをする年齢対象ではありませんでしたが、その時は何度も封筒を開けては彼を想い出し、封筒の香りを感じていました。

今までもらった手紙の中で、その相手を感じるような封筒は最初で最後でした。
香りにはそれだけの力があるんですね。
本当に最初で最後の封筒への想いのこもった想い出です。

今になってみれば、そのくらいの年齢差は気にするほどでもないのですが・・・
素敵な男の子でした。
きっと立派な社会人になって、大切な人を幸せにしてあげているだろうな。と時々想い出します。