ラブレターを書いて封筒に入れた思い出

私が初めてきちんと封筒に入れて手紙を書いたのは中学生の時です。
ずっと好きだった幼馴染に向けて書きました。
携帯を持っていましたがメールではなく、文字で伝えたいと思いレターセットを買いに行きました。
当時私は女の子らしいというよりどちらかといえば活発で
可愛い物が似合わない子でした。
そんな私が手にしたレターセットはピンク色で猫のキャラクターがついた可愛らしいレターセット。
その時に一緒にいた友達に「珍しいね。誰に書くの?」と聞かれた時、「好きな人に」とは言えなくて「親戚の子にだよ」と嘘をつきました。
自分に似合わないと分かりつつも思いを伝える時ぐらい女の子らしい私でいたいとそのレターセットを手に取りました。
どんな風に気持ちを伝えようかとか色々考えて何度も何度も書き直して、やっと手紙を完成させました。
その手紙を封筒に入れた時、今度は封筒に何て書いたらいいか分からなくなってそこで手が止まりました。
名前をフルネームで書いたらいいのか、直接渡すから何も書かずに渡せばいいのか、ずっと封筒とにらめっこしていました。
結局、封筒には何も書かずに裏に自分の名前だけ書いて封をしました。
思いを伝える日はベタでしたがバレンタインデーの日でした。投稿してから朝鞄に入れたあの可愛らしい封筒が気になって気になって仕方がありませんでした。「うっかり落としてしまわないかな」「折れたり皺がついたりしないかな」と授業中にそわそわしてた事を今でも覚えています。
そして放課後、部活に行こうとする幼馴染に「ちょっといい?」と声をかけてチョコレートと共に手紙を渡しました。
彼は「こんな可愛い物持ってたの?(笑)」と少しからかうように言いました。直接的に言われるととても恥ずかしく、自分でも似合っていない事ぐらい分かっていたので悟られないように「バレンタインデー仕様なだけだよ」と強がりました。私の手にも彼の手にも似合わない可愛いらしい封筒だけが浮いているように感じました。
渡した後もずっとドキドキは止まらなくて「誰かにあの手紙を見られたらどうしよう」「捨てられたら…」なんてマイナスな事ばかり考えていました。
その日の夜、彼からメールが来てチョコレートのお礼と手紙を読んだ旨が書かれていました。
告白の返事は他に好きな人がいると言われてしまったので
「手紙は破って捨ててね」と伝えると、「せっかく書いてくれたんだし珍しい物だから大事に取っておく」と返ってきました。
あの封筒が彼の元にずっとあると思うとなんだか可笑しくなりました。きっとその内捨てるんだろうなとも思っていました。
そして数年後。高校も別になり彼とも全く会わなくなり、久しぶりに会ったのは成人式でした。
当時より大人びていましたがやはり面影は残っていて、「変わらないね」と他愛もない話をしていました。
すると彼がふと、「バレンタインデーにくれた手紙覚えてる?」と言ってきました。「逆に何で覚えてるの?」と聞くと「ちゃんと大事に取っておいたから。あの時は好きな人がいたけど、お前からもらったお前に似合わない封筒を見る度に色々思い出して…中々言えなかったけど俺も好きになってたよ」と言われました。まさか数年経ってからそんな事を言われるなんて思っていなかったのでただただ驚きました。
彼とは今でもお付き合いをしています。
もしも私が自分に違和感のないようなデザインの封筒を選んで渡していたらきっと彼の印象には残っていなかったと思います。思い切って可愛い封筒を選んで本当に良かったと当時の私に伝えてあげたいです。(笑)
これが私の封筒の思い出です。