結婚招待状が入った封筒を開けた時の嬉しい驚き

幼稚園児の頃から付き合いのある友人A子がこの度結婚式を挙げる事となりました。
友人とは昔からとっても仲良しで、親同士も仲が良い事や実家が近かった事もあり、まるで姉妹のように育ってきたのです。
恋の悩みや学校の友人関係での悩みがあればお互いに真っ先に相談し合っていました。

小学校、中学校、高校と一緒の学校へ進んで一旦大学では離れ離れになったのですが、大学在学中も同県内に住んでいましたからよく会っていたのです。
大学やバイト先で知り合った他の友人を交えて女子会を開いたり旅行へ出掛けたり、青春の思い出にはいつもA子の姿がありました。
しかし社会人になった時に、大きな喧嘩をして疎遠になってしまったのです。
きっかけはA子が当時付き合っていた彼氏が酷い浮気男だった事で、私が「そんな人止めておきなよ」と止めましたがA子は聞き入れませんでした。
そこからどんどん言い争いになってしまって、2人共引くに引けずとうとう連絡を絶ってしまったのです。

A子の連絡先も実家も知っていましたが、なかなかこちらから連絡を取る事も出来なければ、あちらから連絡が来る事もありませんでした。
社会人として忙しい日々を送る中で常にA子の事は頭の片隅にありましたが、しかしどうにも連絡する勇気が出なかったのです。

A子と連絡を取らなくなって約5年、A子から一通の手紙が届いたと実家の母から連絡がありました。
A子と喧嘩をする前に住んでいた家から引っ越していたので、実家へ送ったのでしょう。
丁度近い内に実家へ帰る用事があったのでそのまま置いていてもらい、後日手紙を受け取りました。

上品なクリーム色をしておりちょっと厚みのある定形封筒に書かれた差出人名は確かにA子の名前で、今更何の用事だろうと不審に思いながら封を開けたのです。
その封筒の中に入っていたのはA子の結婚招待状で、その事にびっくりしましたが、更に封筒の内側の飾り紙をめくって驚いたのです。

飾り紙は通常ならば四方を糊つけされて取れないようになっているはずですが、何故かその封筒の頭、封入口の部分の飾り紙だけは少し浮いていました。
「どうして糊つけしていないんだろう?」と不思議に思いながら無意識に飾り紙をめくってみると、そこに小さなメモ用紙が入っていたのです。
そのメモ用紙には「いきなり招待状を送った事も、今まで連絡を取らなかった事もごめんなさい A子」と書かれていました。
ちょっと照れ屋で、そして天邪鬼な所のあるA子らしいイタズラに、思わず涙が出てしまいました。

すぐA子の番号に電話をかけると、A子は電話に出てくれたのです。
お互い最初はとてもぎこちなかったのですが、「ごめんなさい」、「こちらこそ」と謝る内に段々昔の私達に戻っていきました。
どうやらA子は私と喧嘩した後に、やっぱりよく考えて彼氏とは別れたようなのです。
その事を私へ連絡して仲直りをしようと思ったものの、もう嫌われてしまったのではないかと勇気が出なくて出来なかったようでした。

実は封筒の飾り紙にメッセージを隠す事は、A子と私が小さい頃からしていた遊びです。
大人になってからずっとそういったイタズラをしていなかったので忘れかけていましたが、A子は覚えていてくれたのでしょう。
私が気づかなかったらどうするの?と聞いたら、「でも、絶対○○ちゃんなら気づいてくれるだろうと思った」と言われました。

あれからA子とは連絡を取らなかった空白の期間を埋めるように、頻繁に会ってお喋りしています。
時々封筒の飾り紙を自作してはそこに隠しメッセージを入れる、何て事もしているのです。
この世に封筒がなければA子と仲直りできなかったでしょう、そんな気さえします。
喧嘩で謝るのはとても勇気がいる事ですが、こういった謝り方なら勇気を出せる、そう思いました。

これからの人生、なるべく仲の良い人とは喧嘩をしたくないものですが、時にはそれを避けられない日もあるでしょう。
そんな時、直接顔を見て謝れない、手紙を書くのも苦手な人は封筒の飾り紙にメッセージを隠してみるのもおすすめです。
なかなか自分の気持ちを表現できない人、照れ屋、天邪鬼な人にこそ、封筒の飾り紙に伝えたい気持ちを忍ばせてほしいと思います。
一見何の変哲もない封筒、飾り紙をめくった途端そこに素直な気持ちが現れたら、封筒の受け取り人も思わず「しょうがないなぁ」と思ってしまうでしょう。